2019/9/16 男鹿へ

2020年5月30日

「やばい!こんな時間じゃん!!」

前日からの連続セーリングのしんどさを紛らわせるために月見をしていたら出航予定時間を一時間以上オーバーしていた。
140km以上先の男鹿に向けて出航したときは時計は22時を回っていた。
(これは明日のお昼に到着やな)
今までのような朝に出航し夕方には着岸するといったタイムスケジュールを完全に無視した強行軍である。

月が明るく月明かりで影ができたのは新鮮だった。
ちなみに風は強かった。
途中で風が強すぎてセールを降ろしたくらいだ。
夜中にビュンビュン走れるのは楽しくもあるが疲労はものすごく貯まる。
交代で仮眠を取りながら一直線に男鹿に向かう。

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「日の出や〜!」

時間は朝の5時半過ぎ、この瞬間が一番嬉しかった。
すでに体はヘトヘトだが明るくなったことで精神的な負担は減るはずだ。

12時になろうかというところで目的地が見え始めてきた。
(やっと休めるのか)
さすがにもう休みたかった。
そんなことを考えていたときに視界に珍しいものが入ってきた。

「トンボがいっぱいいる!」

なんとヨットの上にトンボが大量に止まっていた。
まだ陸からは距離があるがどうやって来たのだろうか。
そしてどうやって帰るつもりなのだろうか。

「釣りしよう!」

二日連続の長距離航海しておりすでに疲れのピークは超えているはずだが三人とも釣りをしだした。
釣りの間だけは元気になる三人。

・・・
・・・・・・

「あっ!」

僕が声をあげると二人が振り返った。

この疲れた状況で「トンボが止まってるの面白いわぁ〜」っていうのには多少の申し訳無さを覚えた。
元気になったといっても寝不足で強風の中セーリングしたあとの釣りだから疲れはしてる。
二人は愛想笑いだけしてくれた。

結局何も釣れなかったのでハーバーに行くことにした。
(早く寝たい・・・)
もはや眠気しかない。
このあとも函館まで強気に航海計画をたてているため市内のホテルに泊まり休むことにした。

「きりたんぽ食べたい!」

ホテルに向かう電車の中で寝ているときに起こされた。
そういえばせっかく東北にきているのにご当地ものを堪能していない。
ここで堪能しなければそのまま北海道に突入する勢いだ。
眠気を我慢しながらきりたんぽを食べに行くことにした。

写真を取りやすくしてくれる店員さん。
お客さんに対する話し方とか動き方とか見た感じこの店はこの人で持っているな〜と感じました。

いざきりたんぽ実食ということで色々と説明を受ける。

「これがイノシシのお肉で、これがうさぎのお肉です。」

(えっ・・・)
もはやきりたんぽのことは頭から消えた。
まさかここでイノシシやうさぎを食べることになるとは思わなかった。

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イノシシは美味しかった。
最後に本場のきりたんぽを食べて元気は回復した。

このあとはホテルに帰ってすぐに寝た。
このあとはいよいよ青森、そして函館への強行軍である。