2019/11/22 勝浦へ

2020年5月30日

この日は朝から天候が悪かった。
前日にイルカを見て上がったテンションはすでに下がっていた。

風がない。
しかも雨も振りそうだ。
考えうる最悪の天候だ。
(まだ風があったほうがセーリングする時間が短いため楽なのに・・・)
最悪な一日になりそうだという予感は悲しいことに現実となるのだった。

出航してすぐに雨が降ってきたのでいつものようにローテーションで行くことにした。
ヨットの中に入っているのにフードをかぶるくらい雨が入ってくる。
風が横から後ろの角度で吹いているため辛かった。

雨は辛かったが風も吹き始めた。
(これで早めに目的地の勝浦につくかもしれない。)
雨で落ち込んだ気分も少しだけマシになってきた。

・・・
・・・・・・

「波高くなってきたね・・・」

波がうねりだした。
北からの波と南からの波がぶつかり合っているから波が汚い。
ヨットがひっくり返らないように気をつけながら走らないといけなくなってきた。
おまけに波が汚いせいで波に乗せにくい。

・・・
・・・・・・

それでも我慢して走っていたら波がまともになってきた。
(これから波に乗せて一気に行けそうだな。)
段々とテンションも上がってくる。
そんなときだった

ブチンッ

(え?)

バキンッ!!

(えっえっ??)

コードゼロのハリヤードが切れた。
切れた音以外にも明らかにやばい音が聞こえた。
(これはやばいやつなんじゃ・・・)
コジマとミズキが急いでコードゼロを海から引き上げようとする。

「重い・・・」

一ヶ月前に落ちたときは簡単に引き上げていたコードゼロを引き上げられない。
二人がかりでなんとか引き上げたあとにバウの様子を見に行く。

「ナラザキも見てきなよ・・・」

ものすごく嫌な予感がした。
バウに行って確認するのも嫌だった。

「・・・」

バウがもげていた。
写真は落ち着いたあとに撮ったやつだが実際はバウスプリット(バウから伸びている棒)が下向きになっており海に刺さっていた。
このままだと悪化しそうだったのでバウスプリットを外すことにした。
千葉の沖合&雨&風&高波という最悪のコンディション。

僕はティラーを持って後ろで待機するだけだった。
何かしらのトラブルが起きるときは僕がティラーを持っていることが多い。
そのため会場で修理するときも二人にお任せだ。

バウスプリットも外せたので勝浦港に向かうことにした。
これ以上セーリングするのは危険だと判断し機走することにしたが高波が辛い。

・・・
・・・・・・

港についたときにはぐったりと疲れていた。
雨の中のセーリングや修理で疲れたというのあったが今後の方針について悩んでいたからだ。
(これは中断の可能性まであるぞ・・・)
さすがに自力での回復は不可能と判断したため修理を手配することにした。

連絡をとったあとはホテルに向かった。
どういうプランになるにせよ次の日から風が強くなるため何日か滞在することになりそうだからだ。
勝浦といえば担々麺らしいのでご飯で担々麺を食べた。
二人は美味しいと言っていたが僕は少しだけ食べてギブアップした。

前日のイルカで上がったテンションは下がり、疲れきっていたのですぐに寝た。