2020/2/9 WSR

2/1に日本一周を終えて小戸に戻ってきた。
日本一周の後片付けをしていたらあっという間に時間は経っていた。

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帰ってきて最初の日曜日にやることは決まっていた。

WSRにでる!

WSRとは「ホワイト・セール・レース」の略であり、小戸で開かれているクルーザーのレースだ。
参加艇はジブセールとメインセールだけでレースに挑まなければならない。
そのため僕らはコードゼロなしでセーリングすることになる。
休むまもなくこのレースに出るのには理由があった。

WSRは毎月行われているのだが、過去に一度だけ出たことがある。
ちょうど1年前の2019年2月のレースに出たのだ。
当時はクルーザーでのセーリング練習もそこまでしておらず、クルーザーレースも初挑戦だった。

「レースよくわからんけどディンギーと変わらんよね?」
「なんとかなるやろ」

こんな会話をしていたのを覚えている。
そして結果は・・・

2位

悔しかった。
レースの内容は今でも覚えている。
途中までは1位だったが、風が落ちたあとはどんどん追いつかれて抜かれてしまった。
(練習不足とはいえ)悔しかった。

そのリベンジを!
半年近くのヨット漬け生活で培った技術の確認を!
どうしてもしたかったのだ。

ちなみにWSRは自己申告制でハンデがつく。
前回は(トリマランだと比較対象がいなかったため)±0分で参加していた。
今回はちょっとだけ自信をつけていたので+5分(5分遅れスタート)で参加した。
前回勝てなかった相手・・・GB9も参加している。

(リベンジチャンス)

レースの前にはこれしか考えていなかった。
今回のオモイノママメンバーは僕ら3人+後輩2人(ヨット部)の5人体制だ。
本気で勝ちにいっていた。

ここでヨットレースの補足を少しだけしておく。

  • スタートラインはブイ(船)とブイの間なので線などはない。想像力が大事。
  • ブイ(障害物)などを決められた順序で回航する。
  • 車などと違って決められた道というものはない。風のコンディションがいい方向に自由に進む。
  • ゴールラインもブイ(船)とブイの間なので線などはない。
  • さて、スタート時刻まではスタートライン付近をぶらぶらしてまったりしておく。
    他のヨットもいるのでぶつからないように気をつけなければならない。

    まったりしておくといってもスタートラインの確認はやる。
    ここでラインを確認したあとは、頭の中のイメージしたラインを海に引いておく。

    「3.2.1.スタート」

    スタートはばっちし!
    すでにスタートしているヨットを追いかけてぐんぐん進む。

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    だいぶん追いついた。
    後ろとも離れはじめた。

    (これは・・・行けそうや・・・・)

    勝負事とは油断すると一気にうまくいかなくなる。
    このときもそうだった。

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    「風が・・・こない・・・」

    コースと風向きの都合上、能古島の風下側では風が収まるのだ。
    無風地帯に入ったとたん、後続に一気に追いつかれた。
    辛い時間が始まる。

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    「きたっ!」

    無風の時間もずっと風を探していた。
    そして来る方角を予測してすぐに風がある海面へと向かっていた。
    誰よりも早く風を掴んで抜け出した。
    これが決まったときの快感は忘れられない。

    目標の岩を左手に回航する。
    この時点ではまだ2位。
    しかし1位は目の前!
    テンション上げつつ追いかける。

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    ついに1位に!
    しかしこのまますんなりいくほど簡単じゃなかった。

    「あぁ・・・」

    ダウンウインドウ(風下に向かって走る帆走)は苦手だ。
    風が弱いと全然走れなくなる。
    気がつけば1~3位まで団子の状態で最後の岩にを回航することになった。
    岩を回った時点で3位。

    (やばい。去年より順位悪い・・・)

    最後の直線が始まった。
    まずは2位のヨットと協力して一緒に1位のヨットを抜くことに成功。
    最後は一騎打ちだ。

    これはその時に1位のヨットに乗っていたクルーの人が撮った写真。
    離れているのであっちには余裕がある。
    こっちは真剣だ。
    離されないように集中しながら勝負を仕掛ける風を探す。

    「先輩!今いけますよ!」

    後輩がず〜っと言っていた。
    ここだけの話だがうるさかった。
    ほとんど無視していた気がする。

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    「いくぞー!!」

    いい方角から風が来た。
    一気に前と差を詰める。
    横まで来た!あとは抜くだけ・・・!

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    (抜けない・・・)

    ひたすら並走する2艇。
    ゴールはすぐそこ。
    こんなに僅差になるとは全然予測できていなかった。

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    「フィニーッシュ!」

    めちゃくちゃ僅差だった。
    お互いのヨットの先に人が行き、確認しなければわからないレベル。
    結果は・・・

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    勝った!

    ついに1位を取れた。
    これは嬉しい。
    しかも去年負けた相手だ。
    レースが終わったあとはハーバーに帰り祝勝会。
    次回は3月。次も勝つ!

    ちなみに1秒差の大激戦。
    (相手のハンデキャップは僕らよりもきついです。)

    レースのダイジェスト動画はコチラで。