2020/7/22 中之島でエンジン修理②

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おっちゃんが電話する。
おっちゃんがエンジンを見る。
おっちゃんがエンジンを調整する。

しかしエンジンは直らなかった。

「昼休憩終わるし帰るわ!」
「ありがとうございました・・・」
「でな、仕事が17時までやから、その後見たろか?」
!?

このとき色々びっくりしたのだが、どうやらおっちゃん達は仕事の昼休みを全部使って見に来てくれたらしい。
で、このあとまた潜るらしい。
そして、潜り終わったらまた修理に来てくれるとのこと。
(めちゃくちゃいい人じゃん・・・)

とりあえずおっちゃんが戻ってくるまでは待機することになった。

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「メェ〜」

ヤギがいた。
山の斜面に小さな白い物があると思ったらヤギだった。
声の方向的に他にもたくさんいそうだ。

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「いやぁ〜おまたせ!」

おっちゃんの帰還。
ちなみに、おっちゃんと呼んでいたら怒られた。
おにいさんと呼んでほしいらしい。

おにいさんの指示に従いながら作業しやすいようにエンジンを動かす。
これはいい方法を知った。
今後の整備でも使えそうだ。

どんどん分解していく。
僕らも朝やったばかりなので、手伝えて嬉しい。

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「あっこれや!」

どうやらキャブレターが詰まっているらしい。
僕らも掃除したつもりだったが、見つけられなかった穴が詰まっていたらしい。

「よっしゃCRC吹きかけよか」

キャブレターにCRCをかけて汚れを落とそうとするおにいさん。
(あっ・・・やばいんじゃ・・・)
おにいさんがキャブレターを持ち、ミズキがCRCを持つ。
すでに嫌な予感はしていた。

プシャァ〜

「うぇーぺっぺ」

予想通りの展開だった。
ミズキが吹きかけたCRCはキャブレターにかからず、おにいさんの口へと向かっていった。

「なんでや!こっちちゃうやろ!」

笑いながら突っ込むおにいさん、さすが関西人。
僕はゲラゲラ笑っていた。

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なんやかんやあったがエンジンの掃除も終わりもとに戻す。
緊張の一瞬だ。

ブルン!ブロロロロロロロロロ!

「おおお!」

かかった!
いつもならすぐに弱々しくなるがそれがない!

「え!直った!」
「むしろ出発前より良くなった!!」

キャブレターの本当に小さな(裁縫針よりも細い)穴につまりにあっただけでこんなに違うとは。

「よかったなぁ〜」
「「「ありがとうございます!」」」

これで無寄港セーリングはしないことになりそうだ。
さらに一緒に教えてもらいながら作業できたため、エンジンの知識もちょっとだけついた。

「お礼はいらんから!」

おにいさんは何もお礼を受け取ってくれない。
旅で必要やろ。海で出会った仲や。とかっこいいことばかり言ってくる。
おもしろいし、やさしいし、最高のおにいさんのおかげで安心してナイトセーリングできるようになりました。