2020/7/22 中之島へ

エンジンが止まって、風もなくただただ漂流している。
そんな現在時刻は夜中の3時。
めちゃくちゃ眠い。
頭も回らないしエンジンの知識もない。
海上でできることは試したがなんの効果もない。

とりあえず近くの島に向かうことにした。

写真が汚すぎて分かりづらいが、10kmくらい先に島が見える。
そこについてから本気でエンジンを分解するしかなさそうだ。

朝日がのぼってきてわかりやすくなったが、ほんとに無風なのだ。

1ノット(時速2km)もでていない。
目の前の島に着くまでにどれだけの時間がかかるのだろうか・・・

(暑くなるまでに付きたいなぁ・・・)
(エンジン内から帆を上げたまま着岸しないといけないなぁ・・・)
(そもそもエンジン直るのかな・・・)
(風がなくてつらい・・・)

いろんな気持ちが湧いてきた。

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朝日が顔を出した。

太陽の位置はかなり変わったのに、ヨットの位置はあまり変わっていない。
いよいよ絶望にも似た感情が出てきた。

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「やっと風きた・・・」

少しだけ風が吹いてきた。
普段に比べると全然スピードは出ていないが、それでも救われる。
この風に乗って一気に島に近づく。

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島に近づくにつれてミズキの顔がこわばりだす。
どうやら着岸できるか心配しているらしい。
たしかにエンジン無しでの着岸はやったことないのだが、舵をもっていないミズキが一番緊張するのはおかしい。
むしろ一番冷静にしといてくれよ。

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「よっしゃ〜」
「無事ついた〜」

そんなミズキの心配を他所に着岸はうまくいった。
地面に降りれるのがこんなにうれしいと思ったのは初めてかもしれない。
ただここからが大事だ。
果たしてエンジンを直せるのか・・・

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ヤマハの人に電話しながら分解していく3人。
なんとキャブレターを取り出すところまではうまく行った。
(後で思い返すとエンジン触ったことない3人がここまでできたことすらびっくりだ。)
きれいに掃除をしてもとに戻してエンジンを掛けてみる。

ブルン・・・

何も変わらなかった。
(小戸まで無寄港セーリングで帰るしかないな。)
ちょっとだけテンションが上がった。
500kmくらい無寄港セーリング。
実はできるか気になっていた。
その挑戦をするべきなのか。と悩みつつ少しだけ休憩することにした。
さすがに暑い。